劣後ローンとは

「劣後ローン」は、債務者の借り入れのうち、債務者が返済不能になった場合に、に返済の優先順位が最後になる借り入れローンのことです。このローンについては、リスクがある関係から、他のローンに比べて金利を高く設定できるというメリットがあるあります。また、会社の一部を買い取るのと同様の感覚で融資できる、という債権者側のメリットがあります。要するに、債権者にとって「自己資金感覚で融資できる融資である」ということです。また、借り手にとっても、破産時の返済義務がないというメリットがあります。

債務者の抱える複数のローンの内の返済の優先順位をふまえた「劣後ローン」はハイリスクハイリターンで、銀行が自己資本比率を上げる手段としても積極的に取り組まれることも増えてきました。この背景には、BIS規制問題に絡んで、「劣後ローン」をはじめ、「劣後条件を付けた劣後転換社債」、「永久劣後債」を使った、資金調達が認められたことがあります。1990年から1992年にかけてこのような措置が取られました。

BISとは「国際決済銀行」のことで、1930年に第一次世界大戦の戦後処理、つまり、ドイツによる賠償事務のために、世界の主要国が出資して作られた各国の中央銀行をメンバーとするものです。毎年、総会が行われています。このBISが中心になって世界の経済について、いろいろな方針を決めています。

新BIS規制は2006年末から、「自己資本比率」(銀行が健全に運営できているかどうかの指標となるもの)の算出方法を国際的に統一できるようにルール化したものです。これは、リーマンショックを受け、経済界の混乱を立て直していくために、各国の銀行の自己資本率の問題を中心に取り上げ、いろいろな観点から新たな規制をしようとしたものです。

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